プロジェクトの考え方

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1997年から98年にかけて、世界中でサンゴの大規模白化現象が起こりました。その後、一部のサンゴ礁で回復が確認されたり、海水温の上昇にある程度適応するサンゴが現れたりしているものの、世界的なサンゴ礁の悪化傾向は変わっておらず、近年では、暴風雨による高波の増加、インド洋などでの津波、サンゴの病気の拡大、そして増大する人間からの圧力などの主な脅威が、サンゴ礁の回復を上回る早さで進行し続けています。

ノースカロライナ大学の研究チームの報告によると、毎年約1560平方キロメートル、年間1%の割合でサンゴが死滅し続けており、熱帯雨林の消滅よりもはるかに早い速度でサンゴの死滅が進行していることが解っています。

また、オーストラリアのクイーンズランド大学を含む国際サンゴ礁研究グループは、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度がこのまま上昇し続ければ、サンゴ礁は今後数十年のうちに消失してしまう可能性があるとの研究論文を発表しています。

この様な危機的な状況からサンゴ礁を守るためには、今後20年以内に温室効果ガスの排出を劇的に減らし、気温及び海水温の上昇を抑えると共に、水質汚染や漁業、沿岸開発などによる直接的な被害を回避する必要があります。
BSAC PAN PACIFICでは、以下の観点から、環太平洋エリアにおけるサンゴ礁の保全・再生活動を行います。

1.地球温暖化対策への貢献

私たち人間の社会活動によって排出される二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが、地球温暖化を促進させ、サンゴ礁をはじめとする自然界に、深刻なダメージを与え続けています。それに対して、健全なサンゴは、二酸化炭素を吸収・固定する機能を持っていることが、近年の研究で明らかになってきました。
サンゴ礁を健全に保つことで、地球温暖化対策への貢献が期待されます。

2.生物多様性への貢献

サンゴ礁には、世界の海に生息する50万種の生物のうちの約25%が生息していると言われています。また、外洋を回遊する魚たちの中にも、サンゴ礁を産卵や稚魚養育の場所として利用するものもあります。
様々な海洋生物に生息場所や産卵場所を提供しているサンゴ礁を健全に保つことは、生物多様性への貢献に繋がります。

3.地域社会への貢献

サンゴ礁は豊かな漁場であり、生物生産量も大きく、沿岸域における重要な生物環境であると共に、サンゴ礁の美しい景観は、観光資源としても大きな魅力を持っています。
サンゴ礁保全・再生への取り組みは、過疎化の進む地域社会の活性化に繋がります。

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